更新日:2011.7.29
鳥の目と虫の目 其の二
■ 気力で持ち場固め
コンピューターのデータ管理に追われるスタッフ、ディーラー管理に追われる営業社員、そして日々の電話やスケジュール管理という膨大な作業を処理する社員。
それぞれが部署を切り盛りするのに日夜明け暮れている多忙な中で、この毎週行われるセミナーはどんな意味があるのか。
経理を担当する社員にとって、自分が受け持つ作業の
ほかになぜ世の中の動きを知る必要があるのか。
それは、この混沌(こんとん)とした世の中を安全に無事に泳ぎきるには、それぞれの社員と部署が志に支えられた気力で、持ち場持ち場をがっちりと固めることができるかどうかが
重要なポイントだと私は考えるからだ。
「鳥の目で視(み)、虫の目で刈る」という言葉を作った。
「鳥瞰(ちょうかん)図」と「虫瞰図」、という言葉がヒントとなった。
チャンスの裏はピンチ、ピンチの裏に大チャンスがある。
医療制度改革や年金改革、そして超高齢化社会への対応がビジネスとしても大きな注目を集める中、私たちが今速やかにこのマーケットを耕していくためには、まず鳥の目を持つことが
大切だ。
マーケットがどこへ動くのか、今、自分たちがどういう大きな川の流れのどこに位置しているのか。高いところから見下ろす俯瞰(ふかん)図を持つことによって、
組織の全員が納得できる大きな展望をつかむことができる。
しかし、鳥の目では畑を耕すことができない。鳥の目では地を拓くこともできない。
仕事とは、尺取虫のように一寸一寸地べたをはって、ゲリラの利点でこつこつ、こつこつ、蚕が桑の葉をはむように絶え間なく開拓し続けることである。
これが仕事である。ビジネスである。生きるということである。
(次回に続く)
|