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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

闇に活路あり

第二十八章其の三


更新日:2011.11.11
「生き抜く力」を失った日本人 其の三

■ 失われた原始の力

「春山さんはなぜそんなに強いのか。なぜ瞬間的に運命を受け入れることができるのか」とよく聞かれる。いつも言うのは「私が強いのではありません。泣いていたら終わっていたのです。後ろを振りかえっていたら、それで終わっていたのです」と。自分の宿命のせいにして、なくしたものばかりを数えていたら、私の人生はとうに終わっていただろう。 日本人は戦後、夢にまでみた物質的な豊かさの飽和状態の中で、本来人間が持っている『生き抜く』という原子の力を失っているのではないかと思う。

友人の精神科のドクターも「春山さん、最近ストレスが多いと言うでしょ。あれは嘘です」と言う。ストレスが日本人、あるいは世界中に多いのではない。いまを生きる文明社会の人類自体が、ストレスに大変弱くなってきているのではないのか。

「安土・桃山やその前の戦国時代のような、乱世の中での農民のストレスは相当なものです。おそらく今の日本人だったら、みんな即死してしまうほどでしょう」とそのドクターは指摘する。

目の前で子どもたちが飢えて死んでいく。女房が目の前で虐待され、暴漢に犯されていく。そして目の前で人が切られ、いつ自分がやられるかもしれない。命のストレスを毎日感じながら、その中でささやかな幸せを謳歌していた。

日本はいま、豊かさと安全と、物の飽和状態の陰で、ストレスに弱い体質に変わってしまった。
(次回に続く)





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