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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

闇に活路あり

第三十章其の一


更新日:2012.3.14
殻を脱ぎ道を開け 其の一

いつの頃(ころ)から日本人は海老(えび)を愛(め)でるようになったのか。なぜ、祝い事には海老を欠かさないのか。 その煮姿がいかにも立派で美しいからか。それとも見事な色合いをめでたしと象徴するからか。

■ 命ある限り脱皮

なぜ、海老を珍重するのか。その答えは悠久の中国の歴史にあった。遣唐使、遣隋使などによる中国文化の渡来に紛れて、この風習もやがて日本文化として定着したのだろう。 しかし中国の古典を紐解(ひもと)くと、海老を古来大切にしてきたことには別の訳がある。それは、煮姿でも色合いでも、美しさでもなかった。 海老は命ある限り脱皮する。脱皮しなくなった時、脱皮できなくなった時、海老はその生を終える。

行年五十にしてその四十九年を非し、六十にして六十化す、と記した中国の哲人。人とは命ある限り変化し続け、その変化の中から新しい自分を発見する。そして次の変化を楽しみにしながら成長し続ける。人とはそうあるべき、そうありたいものだという願いと教えを海老に例えたらしい。

私の一生もこうありたいと願う。振り返れば難病の発症より二十五年の歳月。いろいろなものを失う端から、いろいろなものを見つけてきた。

(次回に続く)







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