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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

闇に活路あり

第三十二章其の二


更新日:2012.10.10
喜ばれずして発展なし 其のニ

■ 診療報酬制度が問題

二〇〇四年四月に改定される診療報酬、そして〇五年、〇六年と抜本的な見直しをされる介護保険制度。ほんの一部の自己負担だけで、お客様から見れば無料であるがゆえに発展してきた日本の医療介護制度は、今、「明治維新」のような時代の転換期を迎えている。 一方で、ここまで膨大な赤字国債を発行し続けてまで賄ってきた国民医療費なのに、欧米と比較すると、なぜここまで無駄な低機能病院が増え続けてきたのか。そして、国民の医療に対する満足度も低いのか。

その原因の一つが、出来高払いの診療報酬制度である。乱暴な表現をすれば「下手な医者ほど儲かるシステム」とも言える。  例えば病院に担ぎ込まれて名医が対処し、スパッと治して三日で退院。この場合の医療費と、運悪くやぶ医者にあたって検査、検査の末、切っては縫い、切っては縫い。あげくの果てに、三カ月後にほうほうの体で退院。この二つの症例を比較すると、同じ治療を目的としていても、やぶ医者の方が対処した工数と入院日数が長い分だけ保険料を請求でき、売り上げにつながる。すべてがこういったケースでは勿論(もちろん)ないが、医者の誘導によって診療報酬が肥大化したと言われるゆえんでもある。

 しかし、この時代も終わる。これまでの医者たちが学んできたことは、技術であり経営ではない。医師免許さえあれば開業できるこれまでの医療制度にも課題がある。エンジニア=経営者、こんな構図は一般の産業界では考えられない。  これからは、旧態依然とした経営センスと口先だけの危機感しか持ち合わせなかったぼんぼんドクターやぼんくらドクターたちが、次々と病院を倒産させていくだろう。


(次回に続く)







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