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第四章 餌から人間らしい食事へ

「介護テーブルのデザインは花びらの形にすればいい。いかにも優しい感じがするから、お年寄りたちも喜んでくれるに違いない」しかし、実際は花びらの切れ込みの角度をどれくらいにし、どういう輪郭線にしたらいいのか、春山は細かいところが全然わからなかったのです。
そのために、試作に試作を重ねる日が何日も、何ヵ月も続きました。花びらの切れ込み角度がどうしても決まらない…。でも、そんな苦労も、お年寄りたちが輪になって談笑しながら食事する光景を思い浮かべると、逆に発奮材料となるのでした。

そして、そんなことが約1年も続いたある日のことです。春山は大好きなビールを飲んでいたときに、頭の中でパッと閃光が輝いたのです。

「そうだ、19度や。テーブルの切れ込みをそれぞれ19度振ればいいんや」

春山はとっさにそう思いました。それまでどうしても確定できないでいた花びらの切れ込み角度が、その時に決まったのです。

難産の末、こうして完成した介護用食事テーブルは依頼を受けた
特別養護老人ホームに最初の試作品を納入して半年後、
業務省力型介護用食事テーブル「イージーケア・テーブル(ECT)」としてデビュー。

このオリジナル開発商品は普通のタイプで60万円、
木目タイプで72万円という高価格商品でありながら、
発売初年度で600台以上を売り上げました。
当時のハンディネットワーク インターナショナルからすれば
予測を超えた成果でした。

ECTはその後もさまざまな改良が重ねられ、
スライドボードとの組み合わせなどバリエーションが増えて、
HNIのヒット商品となりました。

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