更新日:2012.7.4.
第十章 「悪魔を追い払う家」 其の三
■ 「『家』が人を変える 上」
家を建てる段階でそのことにこだわったのは、かつて、アメリカでバリアフリー住宅に住む人たちに出会って、貴重な体験をしたからだ。
あれは、私が「ハンディ・コープ」を作ったころのことだから、もう一四年くらい前になる。福祉のデパート「ハンディ・コープ」は、日本で初の展開だとアメリカの新聞でも報じられた。
その新聞を読んだ一人のアメリカ人が訪ねてきた。彼は中枢神経系のリハビリテーションの権威でアンドリュー博士といい、この訪問以後、彼とは家族ぐるみのつきあいをするようになった。
のちに私がアメリカに行ったとき、アンドリューさんは、ある建築家を私に紹介してくれた。 ウイリアム・ビル・スミスさんという。スミスさんはアメリカのバリアフリー建築デザインのコンぺティションで、二年連続して金賞を受賞した一流建築家である。
私とアンドリューさんは、スミスさんが建てた数軒のバリアフリー住宅を見学させてもらった。場所は映画『風と共に去りぬ』の舞台になったアメリカ南部の街・アトランタ。
(次回につづく)
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