第38章 「日に新た 日に日に新た 日に新た」
これまで日本で唯一の財界総理として言われていた石坂泰三さんが、「日に新た 日に日に新た 日に新た」と毎朝唱えていたそうだ。これを聞いて感じた事が2つある。ここからは私の仲間である、株式会社レピス 代表取締役社長 八神広貴社長のブログからもヒントをいただき、私なりに述べさせて頂く。
まず1つ目に感じたことは、時間の概念である。今このコラムを書いている私は二日酔いで起きてから8時間経っている(笑)。この8時間の間、皆は何をしているだろうか?私は二日酔いの中、仕事に行き、その後一息ついて少し眠くなり、春山のラジオを聴いた途端にその声で叩き起こされた(笑)。そして今まさにこのコラムを書いている。これが私の8時間。ただ、私よりも内容の濃い8時間を過ごしている方もいるだろう。ビルゲイツにも春山にも私にも同等に与えられた8時間なのだ。この8時間の間、皆様は何をしているか?どのように過ごしているか?同じ時間でも人それぞれ過ごしている内容や密度が違い、せっかくなら内容の濃い時間を過ごしたいものだ。
2つ目に感じた事は「朝」という事だ。それぞれの朝の過ごし方があると思うが朝起きたらまず、何をするか?これは、昔本で読んだのか誰かから聞いたか忘れてしまったが、豪く感銘を受けた事がある。「十月十日(とつきとおか)」。母が母体に子供を授かり十月十日したら産まれるという考え方がある。この十月十日を組み合わせると「朝」という漢字になる。朝というのは新しい人生の始まりだということなのだ。前日何かあっても次の朝は新しい人生の始まり。私が思うには、大勢の経営者たちは朝という時間を凄く大事にしている。 ある経営者は、朝起きたらまず、自分がこの世に生を受けるきっかけとなった家族、両親や先祖に向けて礼をしている人もいる。またある経営者は、朝起きたらトイレを掃除する人もいる。何か事を成した方は必ず朝という時間を大事にし自分だけの決まり事を持っている。周りにもしそんな方がいたら、その方の朝の行動をイメージしてみてほしい。大企業の社長で朝から髪がボッサボサで酒臭く覇気のない顔で出勤している社長はいない。よれよれのスーツによれよれのシャツを着て出勤する大企業の社長もいないと思う。要は何か事を成した人は一日の始まりである朝を重要視し、しっかり準備をしているのだ。ただ、大企業の社長であったとしても一人の人間、だから二日酔いの時もあるだろう。しかし、それでも出勤時には何事もなかったかのように早起きして万全にしている。これは決して難しい事ではなく誰でも真似できる事なのだ。
「日に新た 日に日に新た 日に新た」と毎日唱えていた石坂泰三さん。そして春山がこれまで迎えてきた激動の朝とはどんな朝だったのだろうか。父親の会社が倒産したという現実を迎えた日の朝、苦しかった不動産業時代の朝、難病を宣告された朝・・・。この激動の時代の朝をどのような眼差しで見つめていたのか。とても考えさせられるが、春山にも私たちにもこの先、生ある限り新しい朝がくる。それぞれいろんな状況があり同じ時間を過ごし、そして迎えるべき朝がくる。いつも密度の濃い時間、そして素晴らしい新たな朝がくるよう経営者の朝の過ごし方を例に私たちへのヒントとならないだろうか?
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |