第49章 「人生は生きた長さなのか、それとも生き抜いた日々なのか・・
今日を大事に生きようぜ! 」
日本は世界各国と比較して長寿国だと言われている。長寿というのは結果的に素晴らしい事ではあるが、生きた長さだけが全てではない。例え短くても自らの生き抜く道を全うした人生というのも本当に素晴らしい事だと思う。
東北沖の大震災から一年が経ち、未だ原子力発電所の問題や震災復興の課題を残したままの日本。この大震災は過去にも例を見ない程の被害を日本に与え、そしてたくさんの尊い命まで奪ってしまった。日本はたくさんのモノを失ってしまったが、それでも私たちは一歩ずつ前進していかなければいけない。
春山 満は26歳で難病の進行性筋ジストロフィーを宣告され、30歳の時には一人で寝返りすら打てなくなっていたようだ。今では首から下は完全に動かず誰かのサポートがなければ生きる事さえできない。しかし、春山は自らの境遇を嘆かず、常に自らが生きる道を見つけ今も元気に生き抜いている。
大震災で家族や友人を失い生まれ故郷も奪われてしまった方々と、身体の機能を宿命によって失ってしまった春山。私はどこか似たモノを持ち合わせているような気がする。私が春山と同じ境遇や大震災に見舞われたら、はたしてこれらの現実に耐えられるのだろうか?正直、わからない。これだけ春山の考えに共感していたとしても、大震災に巻き込まれた方の事を考えたとしても難しい問題だ。よく、誰かが悩んでいるときに、「あなたの気持ちがわかる」と表現をする事があるが、そんな簡単にわかるわけがない。たいした生き方もまだしてない私には到底わからない。
それゆえに私の思う事は、幸いにも両親兄弟や仲間に囲まれ生かされていることに感謝し、今日一日、毎日を必死に生きるということ。より多くの学びと出会いを求め、仕事を誰よりもして、少しでも誰かの役に立つということ。そんな、他喜力(他人を喜ばせることにより自らの成功と人々の幸福を見い出す)があふれる人生を歩んでいきたい。そして・・・限られた人生、春山 満の言うように、私は、肉体の衰え以上に気の衰えに対してのアンチエイジングを心掛け、くだらない事などは忘れ去り、常に希望と憧れを新たに描き続けていきたいと切に願い行動していく。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |