第61章 「ブームのように、アクセサリーのように「絆」「絆」と連発するな!
切っても切れない人の深い繋がり、これが本物の絆なんや〜!」
去年、日本に甚大な被害をもたらした東北大震災後、やたら滅多に「絆」という言葉がメディアにより使われた。春山はこの状況を見て、東北の瓦礫の処理に「絆」なんてかけらもないと言っている。本当の絆ってどういうモノなのだろうか。
私は切っても切れない関係という意味でとらえている。
そうすると愛する両親、兄弟、部下、友人が思い浮かぶ。ではその人たちのために私は何をしてあげられるか、私の考えはお金を儲けることだと思っている。例えば家が火事になり何もなくなってしまったら、私にお金の余力があれば食料を提供することができ、電気や水も使ってもらえる。東北の大震災の時も国のお金、国民の税金、そして沢山の寄付で少しずつ復興してきている。
ただ、これからの日本を考えた時、孫の世代にお金は残せるのであろうか?今の状態では春山が言うように年金も破綻し、医療制度も無くなるかもしれない。そんなことを考えると確かに日本に本当の絆があると言えるか?世界を見たとき、アフガニスタンでは乳幼児4人に1人が命を落とし、平均寿命が約44歳だそうだ。この現実を我々豊かな日本人はどう思うか?やはり日本は豊かになりすぎた。都合が悪いことは反対ばかりで自分達のことしか考えていない。私も同様に、この母国の今後を本当の意味で考えていなかったのかもしれない。私は絆=資金や労力と考えている。それもおかしいかもしれない。私自身も本当の絆という意味がまだ分かっていないのかもしれない。
本当の絆とは痛みをともなうものなのかもしれないと、今の私はそう思う。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |