第64章 「『未だ木鶏足りえず』この言葉をもう一度、気と憧れの養いに使おうぜ!」
今回は珍しくスポーツの話。春山がボクシング好きだということは初めて聞いたが・・・春山のサンドバックになった経験がある私にとっては妙に親近感が湧く話だ。(笑)
さて、メインテーマは「我未だ木鶏足りえず」という言葉についてだ。解説は春山がラジオの中で詳しく述べているので、この場では省略させていただく。
かつての相撲界の大御所である双葉山は横綱という最高位でありながら、なおも極限を求め続けるその姿勢に、我々は学ぶことが沢山あると春山はラジオで説明している。一方、この時に双葉山を倒したのが安藝ノ海。勝った時、師匠から、「勝って褒められるより、負けて騒がれるようになれ」と言われたそうだ。そして安藝ノ海にとっては、「自分は双葉山に勝ったのだから、恥ずかしい相撲は取れない」という思いがトリガーになり、その後見事に安藝ノ海は横綱に君臨した。
このコラムを書いている今、ロンドンオリンピック最終日を迎えている。沢山の感動があったが・・・。私の師匠である西田文郎先生は、よくこのように言っている。「スポーツの世界では順位が1つ上か下かでまったく違う人生になる。それと比べればビジネスなんてチョロイ。なぜならば、ビジネスは世界で1万番でも凄いと言われる。だからビジネスなんてチョロイ!チョロイの法則だ」世界のトップアスリートたちの努力は間違いなく私達の次元を超えていると思う。それに比べ、我々の日常は確かにまだまだチョロイのだろうが、双葉山、安藝ノ海のように自分に厳しく、そして誰かの為というキーワードがあれば間違いなく更なる目標に近づける。これはスポーツの世界だけではなく、我々が憧れとなる目標を掲げ、常にその目標に近づきたいと心身ともに奮わせていかなければ自らの目標をもクリアする事ができない。オリンピックを観て感動した方は自分とは無縁の世界と思うのではなく、一人の人間として直向きに取り組まなければ今の現状を何も変える事はできないのだ。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |