第70章「若くして学べば壮じて成し、壮して学べば老いて衰えず、
老いて学べば死して朽ちず 」
今回は「死」という言葉がキーワードだ。人間は毎日死に向かって生きている。これは、まさしく普遍の原理と言える。どの様な立場の人であっても、この普遍の原理は平等である。私達は限られた時間をどう生きるのか?また、人生とは、生かされている意味を探す旅なのか?よくこのような質問に答えようとする人がいる。しかし、私は最近いい意味でその様な事は考えていない。私は、春山に憧れを抱き、そして超えたいという夢を持っている。そして、すばらしい方々に追い付き、更に追い越したいという気持ちはあるが、そうたやすいことではない。私も今まで夢についてたくさん語ってきたが、最近この「夢」という言葉に違和感を持つようになった。
先日、自分の「誇り」とは何か・・・?と考えた事があった。自分なりに考えに考えたが、明確には浮かばなかった。自分自身だけが持っている「誇り」なんて何一つない。ただ唯一誇れると思うことは、私についてきてくれた部下がいたことだ。例えば、このコラムも、文章チェック等の協力者がいて、励まされ約2年近くやってこれた。最近では人前で話す機会が増えたが、それも部下が「やりましょう!やってください!」と言ってくれ、更にfacebookを始め、沢山の方々と出会える事ができた。これもきっかけは部下が私の背中を押してくれたからこそなのだ。
チャンスが訪れ、次のステージが見えてきたのも、経営状態が苦しかった時に我慢してついてきてくれた部下のお蔭である。自分ひとりなんて、本当にちっぽけな存在だと痛感している。だから、私一個人の夢や誇り等はどうでもいい。それよりも、個々がそれぞれ持つ「I want to do」を非常に大切にしたいと私は思っている。いい意味で我儘な会社を作りたい・・・その様に考えている。私は39歳の今、初めて 「本当に生きている」 と、心からそう思えるようになった。これからも部下、そしてお世話になっている方々との繋がりを大切にし、それぞれの「I want to do」を共に創りあげていける人生を送るべく邁進していく!
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |