第62章 「幻想を捨てよう!今一度勝ち残りたかったら、昭和30年代に精神的に戻ろう!」
ソニー、パナソニックの現状を例に、現在の日本を危惧している。私は今回の春山の提言、「昭和30年代の精神性を取り戻そう!」というのは大賛成だ。春山はラジオで、日本は戦後、部品製造からコツコツやってきた例をここでは挙げている。
もちろん「一つずつ丁寧に物を作る」この精神は大切ではあるが、私はこれからの時代は方法が変わってきていると感じている。もちろん精神的柱は同じ。ただ現実、この現代社会はITという化け物と共に変貌を遂げてきている。これは私たちの私生活にも大きな影響を与え、例えば飛行機のチケットの購入手段の7割はネットからの購入。アメリカのある会社はtwitterのフォロワーが250人以下の者は採用しないという一例もあるくらいだ。100人の普通の人よりも、1人のオタクの方が価値が高いとされてきているのかもしれない。
さぁ、皆さんは時代の変化に乗り遅れていないだろうか?精神的な事は変わってはいけない。しかし、方法は変化していかなければならないのも事実である。これが正に『不易流行』という言葉に当てはまる。絶対に変えてはいけない柱となる考え方と、時代と環境の変化に応じて柔軟に変えていかなければいけないこと。これらが二つ合わさって初めてビジネスという舞台で生き残っていけるに違いない。
よくこんな会社を目の当たりにしないだろうか。これまでの伝統や社風、築き上げたビジネス手法を守り過ぎ、気付いた時には時代に受け入れられず結果的に環境変化について行けず会社は淘汰されていく・・・。これが現実なのだ。現在、まだ生き残っている会社は、春山のように強靭な精神力を兼ね備えながら、環境の変化に敏速に対応していった経営者・指導者がトップにいた会社なのだろう。これまでの考え方『不易』だけを守っていてもで駄目であり、環境の変化にただついて行くだけでも駄目なのだ。この二つの両輪が揃って初めて進化を遂げるのではないかと私は感じた。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
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