第71章「あたり前の幸せの有難さを忘れたらあかん、
ささやかでも、さわやかな、この日常を大事にせなあかん! 」
今回のコラムにとりかかる最中、非常に興味深く、そして改めて現代の日本について考えさせられる内容の記事を目にした。それは、サッカー日本代表 本田圭佑選手の熱いメッセージだ。皆様もご存じの通り、もちろんトップアスリートとしては言うまでもないが、人間性のレベルも凡人とは全く違う。まるで春山 満の言葉を誰にでもわかるように伝えているというか・・・。是非このコラムを読んでから、もう一度春山のラジオを聴いていただきたいと思う!私達にはまだまだやることが沢山ある!今回は、本田圭祐選手の言葉に共感したので、紹介させて頂く。
"今、この状況だからこそ伝えるべきことがある。東日本大震災から混迷を極め、閉塞(へいそく)感が漂う日本よ、オレはこう思う─。"
日本代表MF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)が愛する「日本」そのものについて語った。【取材=八反誠】
海外に出たら、日本は本当にいい国だと改めて思う。モノのクオリティー、サービス業、すべてにおいてディテールにこだわっている。ここが、何につけてもアバウトな外国とは違う。これはオレの価値観が日本人寄りだから、という理由ではないと思う。外国人だって日本のサービスを受けたら絶対にいい思いをするはず。その点で、日本は世界トップだと認識している。海外に出てから、感じるようになった。それと同時に思うのは「これを築いたのは誰なんだ?」ということ。オレたちではない。こんな裕福な今日(こんにち)の日本があるのは、先代の人たちの頑張りのおかげだと思っている。オレたちは、彼らが頑張って汗水たらして残していってくれたもののおかげで生活できていると思う。それが今、いろんな面でまさしく危機を迎えている。オレが言うまでもなく、いろんな人が「日本はそのうち破綻する」と言うのが聞こえてくる。「なんでそうなったのか?」ということを考えないと。今のオレたちは何も築いていない。先人の財産を使ってきただけ。感謝して、今からもう1度、頑張らないといけないんじゃないか。それなのに浪費した揚げ句、責任のなすり合いが、どの場面どの分野でも繰り広げられているように見える。海外から見ると、より一層、強くそう感じる。
なんでここまで言うのか?オレは愛国心というのか、そういう気持ちが強い。例えば、いい悪いは別にして、この間のオリンピックの竹島の問題がある。韓国の選手が試合後にボードを持った。いい悪いは別として客観的に見たら、彼は韓国を愛しているんだな、と思った。オレは日本を愛している。もしかしたら同じような状況になれば、同じように行動したかもしれない。それはその場になってみないと分からないことだけど。
勝ち負けという観点からすると、韓国人が韓国を愛する気持ちに、日本人は負けているんじゃないか。これは政治的な問題ではない。単に自分の国を愛しているか?という気持ちをくらべると、日本は韓国よりも劣ってるんじゃないか、という気持ちにさせられた。
政治といえば、日本に帰った時、国会中継をよく見る。見ていると、話がまったく進まない。「まぁ〜、進まない」という感じで「一体誰が進めるの?」そう思って見ていた。リーダーがいない。そろそろオレたちの世代が、本物が評価される時代をちゃんと作り出すべきだと思う。本物の定義・哲学を若い人たちがそれぞれ持っていないといけないと思う。本物を選ぶその物差しを、ちゃんと形成していかなければいけないんじゃないか。
オレがいう本物とは政治家のことであったりする。彼らは税金から給料を得ているわけだし、本物であるべきだと思う。日本でのヒーローはアイドルやバラエティー番組のタレントという形になっているけど、そういうアイドル文化は日本、厳密にいうとアジア圏くらい。オレが言いたいのは、日本では、日本の政治家こそがスターであるべきだってこと。別にアイドルやタレントを悪くいうつもりはない。彼、彼女たちは、それぞれの立場で一生懸命頑張っている。最大の問題は支持する側にあると思う。イベントなどでワイワイ、キャーキャーと楽しむのは構わないけど、そうやって楽しい空気を享受できる平和というものをはき違えてはいけない。今のこの状態は「平和」というより「平和ぼけ」なんじゃないか、と思う。オレの価値観では、平和というものは自分たちの手でつかみ取るもの。本物とは何かということに対してもっと真剣に考え、議論する必要があるんじゃないか。
(一部 抜粋)
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
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