更新日:2008.2.13
「将来の夢は何?って聞かれてもわかりません」 (前編)
なぜ大人たちは、子どもがほんとうに幼い頃から、
「夢は何?」「将来、何になるの?」
と学校でも家でも聞きたがるんだろう。
小学校に上がるとまず書かされる作文が「僕の夢」「わたしの将来」。
そうして高校を出るまで、子ども達は何度も
先生や親から同じ質問や追いたてを受ける。
器用な子ども達はそれなりに答えをまとめるが、
将来進むべき道や夢が、そんなに簡単に見つけれるのだろうか。
実は僕も、将来のことは何も答えられない子どもだった。
そんな僕に両親は「医者になれ」「医者になれ」と言い続けた。
いつの間にか僕は親の洗脳に染まり、医者を目指す自分に疑問すら感じなくなった。
僕の兄貴も同じように言われ続け、彼はみごと医者になった。
でも僕は受験勉強をする傍ら、ふと、医者になどなりたくない自分に気付いた。
それは高校二年生の頃。
その三年後、将来の進路をめぐって親父と大げんかをし、家を飛び出した。
昼も夜もアルバイトに明け暮れ、少しお金を貯めて、
たった一人ヨーロッパに旅立った。
旅先のヨーロッパでもアルバイトを繰り返しながら一年半、
北アフリカまで放浪した。
将来の夢が見つからないままの、自分探しの旅でもあった。
(次回につづく)
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