更新日:2008.5.21
第14話「病院淘汰時代の幕開け」(後編)
昭和40年代、50年代は医療界にとってバラ色の時代と言われました。
なぜならば、大胆な表現をしますとやればやるほど、
薬を出せば出すほど、もうかるといった出来高払いの構図だったんです。
これが今、年間31兆円の医療費となりました。
毎年1兆円ずつ上がる医療費をいかに抑えるか。
それには老人医療費を抑制しなければならない。
なぜならば、老人医療費の大半は介護で使われているからです。
そこで登場したのが介護保険です。
介護保険の功罪についてはさまざま論議されていますが、
私は介護保険の賛成論者の一人です。
この制度がもたらす市場原理の導入に大きな期待を寄せるからです。
これからは低機能の無駄な病院は淘汰され、
医療だけでなく、本当のサービス業という感覚から
お客を満足させる病院が繁栄していくでしょう。
そんな危機感から新しいうねりが始まっています。
例えばすでに30を超える病院のグループが、
ヘルパー2級の資格を持った宅配業者と提携し、
在宅高齢者の配食サービスを行っています。
あるコンビニは日用品から食材、旅行用品まで配達する取り組みを始めました。
大阪のある病院では独自の方法を考えて、
本当に介護ができる上質のヘルパーさんを養成する学校を立ち上げています。
まさに病院淘汰時代の幕開けです。
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