コペンハーゲンの酒場で見た忘れられない光景があります。
夜遅くやっと仕事を終え、食事を兼ねて一軒のバーに入りました。
11時になろうとしている酒場で出会ったのは、
お年寄りたちが本当に楽しそうに笑い語っているシーンでした。
若者の姿は見えません。
店の人に聞いてみると、
若者は明日の仕事があるので、早い時間に退散するそうです。
お年寄りたちが笑い語らう姿にあっけにとられながら、
「こんなに夜遅くまで遊んでいて大丈夫なんですか」と尋ねると、
旨そうに酒を飲み干しながら
「なーに、心配するな、あの世に行ったら嫌になるほど眠れる」
とあっけらかんと返してくれました。
老いを自己責任で守るため、血の出るような思いで税を支払ったあとで、
人生最良の時をいとおしむ、さわやかなこの老人たちを私は忘れる事ができません。
そしてデンマークでは、年金受給者の方々をGoodTimeと表現すると教えてもらいました。

沈みゆく夕日を知るからこそ、今の光を謳歌し楽しむ、いさぎよさに感動します。
人生最良の時、GoodTime。なんてさわやかな言葉でしょう。