第10章「文句ばっかり言うて無いものねだりばっかりしとったら 日本、沈んでまうぞ〜!」
恥ずかしい話ではあるが、以前の私は、何に対してもやたらと文句や陰口ばかり言っていた。生まれた境遇、自分の不遇、失恋した女性、会社の上司・・・などなど。そんな私であったが、今はもう文句も陰口も言わなくなった。なぜ言わなくなったのか・・・・すごく単純な話なのだが、文句や陰口を言っているだけでは何も変わらないという事に気が付いたからである。こんな単純なことに気がつくのに30年以上もかかってしまった。とは言っても、私は不愉快、不満に思った事は日々手帳やパソコンに記録している。もうそれこそ、思いついたらすぐさま携帯にも入力している程である。但し、ここで誤解をしないで頂きたい。私はただ闇雲に不満を記録し、それを根に持っているのではない。どうしたら不満を解決できるのか、その考え得る解決策も必ず記録している。では、直ぐに解決できない問題が起こったとしたらどうするのか。それは、何年かかってでも解決する。これが人生ではないかと私は思っている。
何度も本コラムでは、「記録の重要さ」について述べている。身体が不自由な師匠 春山は自らメモをとる事ができないが、しっかりと脳に刻みこんでいる。今でこそ、ありがたいことに師匠からは私が一番弟子だと認められている。その師匠の下で修業をさせて頂いていた時、漠然と仕えていたわけではない。悔しい事もあれば、疑問もたくさん出てくる。それらを全て記録し、それらの解決策を考えた上で行動に移していた。今では、不安な事が多少あっても、どうしようもない大きな悩みはなく日々を過ごせている。なぜなら、「人間の生きる醍醐味とは、問題を解決し行動を起こすこと!」それが分かったからなのだ。
さて、私が手帳に記録しているものをここで一つ紹介しよう。
「震災が起きたが、少しの募金しかできない自分が情けない。5年以内にビジネスで儲けて健全なる利益を上げ、東北、そして日本の為に消費する。」
お客様に喜んでもらい、報酬をいただき、自分を成長させてくれた世の中へお返しをしたいと心から思っている。この繰り返しで、自分の生き方も日々の過ごし方も全て変わってくるのではないだろうか。自分の中にある疑問点や課題点を一つ一つクリアーしていく事は自らの成長に繋がり、これを多くの人たちが実践する事で一個人だけでなくグループ全体が変化をし、気が付いた時には日本が大きな変貌を遂げるのではないかと私は思っている。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |