第18章
「失くしたものを数えるな!残っている機能を120%活かせば日本は元気になるんや〜!」
「失くしたものを数えるな!残っている機能を120%活かせば絶対に生き残れる!」このメッセージは『春山 満の生き抜く哲学』そのものである。この言葉を聞くと、皆様は春山 満が自らの病を受け入れ、身体能力を失ったという現実と対峙してきた境遇がすぐ思い浮かぶかもしれない。ただ春山のように、失った「身体能力」と反比例し、強靭な「精神力」を持ち得た人間は、なかなかそう簡単には存在しない。
だから私は「失くしたものを数えるな」という言葉をもっとシンプルに考えるようにしている。よく周りの人が、「昔は出来たのにな・・・」「俺の時代はこうだったのに・・・」「お金が後少しあったら・・・」等と、ネガティブな話をしていることがよくある。もうこれは過去の栄光。過去の良かった時代を語らい、叶わぬ夢の話とこれまでに失くしたものを数えているだけなのである。
さて、話は変わりますが・・・わたくし宮内 修は、この度、煙草を止めた。春山は信じてくれないかもしれないが・・・(笑)。これまで私は超ヘビースモーカーで、1日2箱半〜3箱は吸い、止める気などまったくなかった。なぜ止められたのか??実は、最近ジョギングに凄くはまっている。毎日1時間は必ず走り、もっと早く走りたい、もっと長く走りたいと思い、ある日2時間を目指し走り始めた。そうすると、急に息があがりだした。その時、心の中で「昔だったら絶対にこんなことはないのに・・・」と思い、失った過去の栄光を振り返ってしまった。煙草と直接原因があるかわからないが、自分の心の中で失ったものを数えていた自分に気付き、まず煙草を止めるという第一歩を踏み出したのだ。
「失くしたものを数えるな」というと難しく考えがちではあるが、シンプルに考えれば非常に単純な言葉だ。今まで当たり前となっていた事ばかりにすがるのではなく、今あるもので何が出来るのか、どうすればうまくいくのかを考えなければいけない。なぜなら、失ったものは決して戻ってこないからだ。私は「失くしたものを数えるな」とは、きっと「今を一生懸命に生きろ!」というシンプルな事だと思う。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |