第16章「価格破壊という値崩れ地獄に入ったら、日本は沈没するで〜!」
春山 満もラジオで語っていた経済の悪循環。それは、商品の値崩れ競争に巻き込まれると企業の利益率がどんどん圧縮され、個人(社員)の給料が下がり、一個人が買い物を差し控えるようになる。これが大多数の消費傾向になると、まさに不景気の状態が続く。
そんな中、春山はある意味、時代と逆行した独自の視点で商品の企画開発・販売をしている。春山の代表的な開発商品にベッドパッド"ディプスリー"という物がある。なんと価格は、シングルサイズ63,000円、ダブルサイズ84,000円・・・(笑)。正直、ビックリするような価格(笑)。決して強引に購入を迫られた訳ではないが、私はシングルサイズを持っている。弟子でも安くならないところが、正に春山流の商売といっても過言ではない(笑)。
しかし、この商品、実はとても優れ物。私はラグビー部出身で、大学のころからかなりの腰痛持ちだった。何とか筋肉トレーニングをすることにより腰痛を隠してきた。ただ社会人になるとトレーニングにさく時間も激減し、ある日突然腰に激痛が走った。そしてコルセット巻いたり、注射打ったりと騙し騙しやってきたが、なかなか完全には治らなかった。そんなある日、春山にこのベッドパッド"ディプスリー"を勧められたが、春山の商品開発の凄さはもちろん理解しながらも私にとって価格は高く、多くの期待と不安を持ちつつ使い始めた(笑)。「おや?なんか腰の調子が良い。しかも、熟睡できる・・・。」買ってから5年が経つが未だに大事に使っている。
如何なる商品にも価格設定には理由がある。開発費や素材などの色んな要因があるが、一番大事なのはこの価格でお客様が満足してくれるかという事である。春山がよく言っている言葉だが「この商品が高いかどうかは我々が判断するのではなく、お客様が判断する事である」。実際にこの"ディプスリー"は、9.5万人以上のお客様にご愛用頂き、更にリピート率が52%という結果が出ている。ベッドパッドは頻繁に買い換えるものではなく、自分が使って本当に良かったから家族や友人にプレゼントとして買われる。これが正に"春山 満ブランド"なのだ!安いからお客様に満足して頂けるのではない。高価な商品でもお客様の満足度が高ければ、一流の商品として定着するのだ。
私たちがどうする事も出来ない要因で経済が不安定になる事もあるが、私たちの身の回りから変えていける事もあるのではないだろうか?今だからこそ、私たちはこの"価格破壊という値崩れ競争に巻き込まれたら、日本は沈没する!"というメッセージに耳を傾ける時だと心から思う。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |