第22章「売り込んだら叩かれるどー!買いたいと思わせたら、おまかせ定食やでー!」
「決して売り込もうとしてはいけない!」とは言っても売り込んでしまうのですが・・・。しかし、最後はやっぱり売り込んではいけないという結論に達するのではないだろうか。もちろん資金面、精神面などの状況にもよると思うが、少なくとも起業して3期目を終えた私はこのように考える。起業した当初はお客様からまったく電話もかからず、お金だけが毎月消えていった。通帳を見ながら、「出金欄しかない・・・」。嫌でも売り込みたくなるのが人間でありビジネスマンである。電話営業、FAXなどいろんな事をしたが、結果は全くうまくいかなかった。理由は単純で、ただただ売上が上がらない現状を打開する為の売り込みしかやっていなかったからだ。私は前職時代に、よく春山からも「売り込むな。お客様に買っていただくんだ。」と言われ続けていた。しかし、売上が上がらないとやっぱり焦ってしまう。正直、春山に言われたことなんて忘れてしまう事も多々あった(笑)。
ただ、3期目が終了して今思う事は、結局お客様に売り込むのではなく、「買って頂いている」「選んで頂いている」という事だ。最近ありがたいことに、お客様から更なるお客様を紹介して頂くケースが随分増えてきている。いい意味で連鎖反応が起こっているのだ。ではどうやってこの状況になったのかと言うと、やっぱりまじめに丁寧にやった、ということにつきるのではないかと思う。少しうまくいかないだけで直ぐにやり方を変えてしまってはビジネスは成り立たないと思う。「一生懸命」も重要であるが、「一所懸命」が本当に重要だと思うようになった。一つのやり方を信じて愚直にやり続け、起業当初を振り返るとそれが一番の近道だったと改めて思う。これからはお客様に選んでもらうことを中心に更によりよいシステム、サービスを構築すべきなのだ。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |