今回は一年の振り返り。この番組には沢山のゲストが出演され、そして皆様それぞれが素晴らしい言葉を残していらっしゃる。しかし、私個人としては一年間を振り返ることは特にはしない。正月?誕生日?それらもとくに意識もしない。なぜか?答えは簡単。それは・・・「日に新た 日に日に新た 日に新た」。春山 満が何度も言ってきた言葉である。私にはこの言葉が染み付いている。私にとっては、毎日が正月であり、毎日が誕生日。そう、毎日が新しい人生のはじまり。
春山 満は毎日を噛みしめるように生きていた。難病を受け入れ、自身がいつまで生きられるかわからない。そんな中、懸命に生きていた。これって一日一日を後悔しないで生きた証拠だと思う。春山 満は毎日生まれ変わり、日々進化し続けていた。毎日現実から目を逸らさず、その瞬間を悔いなく生きる。そしてまた朝を迎える。新しい人生のはじまりである。「朝」という字を分解すると、「十月十日」。子供が命を授かって生まれるまでの期間だ。だから毎朝、新しい人生がはじまる。こんなふうに生きると、人生もっと楽しく生きられるのではないだろうか?
2014年は僕の人生において大きなターニングポイントになった。創業者であり父でもある春山 満が亡くなり、プライベートや仕事の環境が大きく変わった。ただ、だからといって一切後ろ向きな考えはしなかった。
父の死と共にこれまで大きな収益元となっていた事業が、終息したことも事実だ。しかし、我々は春山 満がいなくなったときを想定して、約10年近い準備をしてきた。おかげで会社は路頭に迷わず、次の時代を着実に創っていけている。そして、偉大な創業者を失って身に染みて感じることは「何かを得るためには、何かを捨てなければいけない」ということだ。このメッセージの奥深さをつくづく実感している。
メッセージは大事だ。特に歴史や人の人生から学ぶメッセージは深みがあり、今分からなくても時の流れと共に理解できるようになる。こういう学びを今年一年はとくに大事にしようと思う。
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
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24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |