今回もジャーナリストの櫻井よしこさんがゲストである。櫻井よしこさんのご自宅は春山満が監修。お母様の介護があるため、快適でバリアフリーな家作りを目指され、その中には「痛々しくない」というキーワードがあったそうだ。
介護というと、多くの方には、とても大変だというイメージがあるようだ。
たしかに大変である。綺麗事ではすまないのが現実である。その現実の中には、介護するほうも、されるほうも、それぞれの暮らしがある。どちらもたった一度きりの人生である。
それならばお互い大変の一言ですましてしまうのではなく、尊重し合って乗り切ることが大切だ。
大変だけでは、どこかで必ず苦しくなる。そして介護が終わったとき、悲しさもなくホッとしてしまう・・・。こんな日々は暮らしでもなんでもない。
バリアフリーなら、普通の生活空間に近づける。そして、介護が必要なら、プロに任せる。
現実は、これがお互いにとって幸せな暮らしのような気がする。多少の距離感がお互いの幸せをつくる。そういう考えもあると思う。
今、在宅介護で苦しんでいらっしゃる方、たくさんの選択肢があるということを忘れないでほしい。
父 春山 満は櫻井よしこさんのご自宅を始め、多くの高齢者住宅を設計・プロデュースしてきた。もちろん我が家も父の考えがしっかりと入っている。特に父が大事にしていたコンセプトは「カラクリ仕掛けの家」ということだった。例えば個人宅となると介護される人も介護する家族も一緒に住んでいるわけだから、一方にとって便利では片手落ちになってしまう。だから絵に描いたようないわゆる痛々しい介護住宅には絶対にしなかった。そこには創意工夫が施されている。元気なうちは誰が見ても普通の2階建て住宅。しかし、家族が要介護認定を受けたり車いすに乗るようになった時、今まで納戸として利用していた上下階のスペースにエレベーターが配置できたり、予めお風呂のスペックを広く取りいざという時には在宅用の入浴機器を設置できたりと、とにかく仕掛けだらけの家。
誰かが要介護になり、住宅改造あるいは住み替えを余儀なくされても、家族全員が住みやすく使いやすい家を目指さなければ、長く住み続けることはできない。だから、家を建てる時には将来のことを見据え、「カラクリ仕掛けの家」を目指してほしい。この考えは正に弊社の商品やサービス開発の理念“共に暮らしあう調和”そのものである。
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
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24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |