今回のテーマは 「自由ほど難しいものはない」。春山 満には体の自由はなかった。これは現実だ。でも私は一度たりとも春山が嘆いている姿を見たことがない。もしかしたら家庭では違ったのかもしれないが・・・。春山 満にとって嘆かないことが自分との約束だったようにも感じる。今思えば講演や会社で嘆かなかったのは、自分自身との約束を守ってきた春山 満なりの生き抜く哲学だったのではないだろうか。私たちは日々ついつい嘆いてしまう。
・お金がない ・痩せたい ・男女間のこと ・仕事 ・家庭
大なり小なり必ず何かを日々嘆いている。それが普通の人だ。だが春山 満が特別かというと、そうではない。自分との約束を守り、嘆くよりも強気な態度で強い意志を持ち行動することをより人に伝えていた。そして言葉にして発信することで自分にも言い聞かし、強くなっていったと思う。だから酒を飲みながら、あれがない、これがない、あいつが駄目・・・なんて言っていたら嘆いている間に間違いなく人生は終わってしまう。繰り返すことはとてつもない力を得る。それは春山 満も私たちも同じだと思う。難病になったとき、けっしてすぐに開き直れたわけではなかった。ただ、自分との約束を守り嘆かず強い意志を持ち行動することにより、自分を強くしていったのだ。
僕がハンディネットワークに入社したのは2007年。大学時代から何か自分で事業を起こしたいと思っていたが、父のビジネスに興味を持つようになり弟子入りをした。中・高・大学共にサッカー部ではキャプテンを務めていたこともあり、誰かに指示されて動くことより自分の判断と責任で動かす方が性に合っていると思っていたので、父のもとで修業が始まり、たくさんの上司や先輩からの指示や命令で働く環境が正直面白くなかった。しかし、これも修行だと言い聞かせやっていた。2年が過ぎた頃この環境に満足ができず父が持つもう一つの会社に1人転籍することになった。ここで初めて気づいたことは、今までどれだけありがたい環境で働いていたかということだ。自由な考えで動くことはできないが、きっちりとしたルールがあり役割がはっきりとしている。このルールや役割を一から作っていくことはどれほど難しいことか。ただ、これが出来ないようではリーダーとして失格。一人転籍したことで新たな修行が始まった。
自由を求めることは大いに賛成したい。しかし、チームを作っていこうと思えば自由だけでは作れない。特に若い人は、今ある環境を嘆き自由を求める傾向が強い。自由だけでは何もできないのだ。適度な自由さはあったとしても大枠をきっちり固めておかなければチームとして成り立たない。自由を奪われるからこそ一つのことに集中できることもあるのだ。
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
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24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |