先週に引き続き、ゲストはおおさか往診クリニック理事長の田村学さん。 在宅医療とは何か?ということを具体的にお話してされており、非常にわかりやすかった。 今回は放送の中で、「死の教育が必要」と話されているが、これはまったくその通りだと思う。 理由は簡単。みんな最期は「死」を迎えるからである。
毎日まるで当たり前のように、生きているが、明日を迎えられる保証なんて誰にもない。 明日死んだら・・・こんなことを本気で考えたことがあるだろうか? 私も40歳を過ぎて考え始めた。その結果、とにかく後悔しない、そして悔いが残らない人生を過ごそうということに行きついた。 ただもっと若いころ、子供のころから、「死」を考えられる環境が整っていれば、どんな生き方になっていただろう・・・と考える。だからこそ今この年齢で初めて考える「死」は、リアルである。
「生」に感謝するためにも、「死」について考える教育は必要なのではないかと思う。
それは義務教育のころからの繰り返ししかないと思う。
僕は期せずして父と祖父が息を引き取るその姿を見た。父は難病による呼吸不全であり、祖父は老衰であった。ただ、最期の瞬間は似ていた。もう今夜が山だと言われてから、徐々に呼吸が細くなり熱が出てきた。額全体に汗をかき、僕らはそれを拭きながら声をかけ続けた。僕らから見れば本当にしんどそうな姿であった。しかし、先生は「本人はしんどくはないんです。耳は聞こえているので最後の言葉をかけてあげて下さい」と言ってくれた。僕らが声を掛け続けていると、額の汗は次第にひいていき、呼吸が緩やかになっていった。一呼吸しては数秒間空き、また一呼吸。このようなことを数回繰り返した後、かなりの間隔が空いたので「もう逝ってしまったのかな?」と思うとまた一呼吸。そして遂に息を引き取った。
最期は楽に死にたいとよく言われるが、楽に死ぬって何なんだろうか。なかなか自身の死を考えることは少ないかもしれないが、僕は改めて「死」の教育は大事だと思うようになった。「死」について話すと縁起でもないと言われるが、この考えは間違っていると思う。今、終活ブームであるがこれもまた小手先のイベントである。どれだけ自身が準備を整えたとしても家族が理解していなければ意味がない。大事なのは家族で自分はどの様な最期を迎えたいかを話すことである。そこに家族の理解があれば最高の死を迎えられるのではないだろうか。
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
|
24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |