今回のテーマは「得意淡然 失意泰然」。得意淡然とは、得意なときこそ調子に乗るな!失意泰然とは失意の時にはゆったりとおおらかに!ということ。このラジオでは何度も出てきている言葉である。 放送の中で「やめることの大切さ」の話があった。「未来に向かってやめる」とも言っている。 このコラムに何度も書いているが、諦めたり、やめたりすることは、時には非常に重要である。 「諦めなかったら、何でも夢が叶う」ならいいのだが、そんなことが起きるのは、ほんの数パーセントの人のことだ。 ほとんどの方が、何かを諦め、やめ、そして新たなチャンスのために、生活しているのではないだろうか? それが現実である。
いったい、プロ野球選手を目指している何パーセントの人が、夢を叶えるのだろうか?オリンピックに出場したいと言っている何パーセントの人が、夢を叶えるのだろうか?弁護士を目指す何パーセントの人が、夢を叶えるのだろうか? 分野こそ違うが、夢を叶える人はほんの数パーセントである。これはどの分野をとっても同じだと思う。
だから人間は、諦め、やめながら、自分の数パーセントの夢が叶う新たな分野を探すのではないだろうか?この探す旅を諦めてはいけない。 物事に固執するのではなく、何度も諦め、やめ、それを繰り返す。自分の居場所を見つけることに諦めさえしなければ、悔いのない人生を送れるのではないだろうか。
この教えは、頭で理解できても行動で示すのが非常に難しい。僕はこの教えをまだ完全に実行できていないが、常に頭の中に置き、得意の時には思い出す訓練をしている。また上手くいかない時も同様で下を向かないようにもしている。これは僕の性癖からかもしれないが、優勢に立った時よりも劣勢の時の方が一番燃えて面白い。ピンチだからこそチャンスがあると僕は心底思っている。
先日、社内で大きなミスがあった。毎月弊社のお得意様にはDMをお送りしお得なキャンペーン情報を流している。このチラシを入念に作り上げ、DM発送業者に必要部数を渡し発送をかけてもらうのだが、恥ずかしながらDM発送前日に誤字が見つかった。僕の指示はただ一つ。「印刷をかけ直し、発送日は変えるな」ということ。もちろん業者に頼めば軽く2、3日は発送までかかってしまう。ただ僕はそれをすると運気を逃すと思ったのだ。即日で印刷をお願いできるところを探し、すでに封入済みのDMを全て引きあげ、夜なべして弊社スタッフ全員で作業を行った。結果、発送日も変更せずギリギリ間に合った。そしてその月、目標を達成した。
仕事をしていると、事業が上手く進む時は細かく手を加えなくても進んでいく。しかし、上手くいかなかったり劣勢に立たされた時に、どう行動するかが事業を進める中で最も重要である。「運」は降ってくるのではなく、自らの手で掴まなければならない。失意の時こそ淡々と進めれば、必ず光は見えてくる。
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
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24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |