本日のテーマは「介護業界と技能実習制度」。これは簡単に言うと、海外の方の力を介護現場で使わせてもらうということである。介護現場はもとより、日本中で様々な業種の人手不足が大きな問題となっている。介護なら「技能実習制度」という小難しい言い方で、海外の人を受け入れるのだが、私の考え方はちょっと違う。
これからの日本を支えるのは、海外の人になる・・・という認識を私はしている。海外から日本に来られる方のことが問題としてよく議論されているが、私は受け入れる側の問題が今後の日本の未来を変えると思っている。日本はベトナムを中心に海外の方を受け入れるが、
・数年後日本で働く海外の方の自国の経済がものすごく急成長していたら
どうなるだろう?
・他の途上国がもっといい待遇で海外の方を受け入れたら日本はどうなる
だろう?
・受け入れる側の国が、海外の方を雑に扱ったらどうなるだろう?
このようなことが起きたら、日本に来てくれない事態になる。そうなったら皆様どうなってしまうかおわかりだろうか・・・。大切なことは、どのように受け入れるか?ということにある。ただ働き手が欲しいというだけでは、互いにいろんなことが伝わらないときがくるかもしれない。だからこそ最初が肝心だと思う。日本人が持っているDNAを全て捧げること。お客様を受け入れるぐらいの感覚でないと本当に逃げて行ってしまう。それぐらいの危機感があってもいいと思う。そうすることで、異文化の海外の方であろうが人と人とが触れ合い、新たないい文化ができ、関係がより深くなる。
こうなるように、とにかく最初の受け入れが私は大切だと思うが、皆様どのようにお考えだろうか?
今、介護業界の環境が目まぐるしく動き始めている。一番の目玉は2018年にくる医療、介護報酬の同時改定だ。医療もそうだが介護業界もどの様な環境になるのか、関連事業者は目を凝らしてみている。一方で介護業界には、本格的に導入が決まった技能実習制度がある。介護現場に外国人がはいってくるのだ。大義名分は技能移転。しかし現状誰がどう見ても現場で働く日本人が少なすぎる。2025年には約38万人の介護士が不足すると言われているが、今でも不足している。
技能実習制度が導入され、渡りに船と人の補てんを考える事業者は増えるだろう。しかし、人を補てんしたからといって、現場が回るようになるとは思えない。国も文化も違う外国人をいかに教育するかと同時に、日本人に対してもしっかり教育しなければいけないと考えている。特に技能実習生を管理する中間管理職の教育が必須かつ急務である。
介護士が足りなくなると前述したが、技能実習生を増やすだけで解決する問題ではない。しかしこのことはお国の制度にのっとったいわばお試し期間に充てられていると僕は思っている。目先の人材不足を解消し、この数年間で起きる問題を検証し、本格的な移民政策へと入るのだろう。そして僕は、技能移転が日本と他国との本格的な国際交流につながり、将来Win - Winの関係を築くことができると信じている。
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
|
24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |